2009年9月13日日曜日

「財政赤字」真っ赤なウソ2 (410)

▼「消費税は多く消費するほど多く負担するのだから公平な税制」は本当でしょうか。所得額を基準に考えれば、話はまるで違います。お金持ちほど収入の中から消費に回す比率は小さくなりますから、その意味で消費税は不公平な税制といえます。社会保障費の財源が足りないのであれば、法人税の見直しです。それでも消費税に拘るのであれば、生活必需品にはかからないようにするなど今の消費税の制度を改革すべきです。欧州の消費税率は20%前後で高いですが、日本のように買う物すべてに一律の消費税ではなく、品目により税率が違います。必要度の高いものほど税率が低くなっているのです。▼日本は低所得者に厳しく、高所得者には優しい税制を採っていますから、この不公平をなくすには金融資産課税の導入し、所得を再分配したらいいのです。「そんな金、オレ払わねえよ」と渋るなら、ジョナサン・スイフトの『ガリバー旅行記』を話したらいいのです。ある日、主人公のガリバーが旅した国は、「小人国」でした。その国の社会システムは、とてもユニークでした。長いヒゲを蓄え、温厚な風貌の国王がガリバーに語りかけます。「ガリバー君。この国では、美徳に高い評価が付くんじゃよ。書を読む、謙虚で思いやりのある人、一芸に秀でた人、いつも笑顔を絶やさない人、人望のある人など、じゃよ。この国では、そういう人物に高い税金がかかるんじゃ、それは名誉と尊敬の象徴じゃからな。キミ、自信があるかな?」。ガリバー君、「うーん」とうなりました(オレにはそんな豊かな人間性はないなあ)。すると、国王は話を続けます。「そうそう、この国では金持ちは一番嫌われておるな。だからワシもホラ、粗末な服を着てビンボーを楽しんでおるのよ」。ということで、税金は「愛」と「知」にたっぷりとかかるのでした。そしてたくさんの税金を支払う人ほど幸福になる権利があるのでした。日本もそんな国にすればよいのです。▼田中角栄の『日本列島改造論』というのは、日本国民全体のことを考えた、いい発想でした。ただ、金を流す手段として公共事業をやるだけやってしまった後は、たとえば森を守るためにお金を使いましょうとか、文化振興のためにお金を使いましょうという風に発想を転換しなければいけなかたったのに、それが出来ず失敗した。地方の道路やダムなど、どうしても必要な社会資本がかなりの部分整備されていたのに、単に工事が必要だからと公共事業を続けていたら、環境が破壊されてしまうからです。▼老後を考えたら、住宅は買った方がよい。2004年の年金制度改革で、夫婦二人の専業主婦世帯のモデル年金支給額は、月額23万3千円から最終的に15%減らされることになりました。つまり年金月額が20万円を切るわけです。この収入で家賃を10万円払えば、生活費は10万円を切ってしまいます。これでは老後の生活は成り立ちません。郊外の駅から離れた中古マンションを買うというのも一つの手です。通勤の必要がなくなるのですから、環境のよい場所を見つけて、ゆったりと暮らせばよいのです。「トカイナカ」「チカイナカ」暮らしです。▼トカイナカ、わるくない。九月十三日(日)

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