2009年9月13日日曜日
「財政赤字」真っ赤なウソ1
『大不況!!年収120万円時代を生きる』(森永卓郎・あうん)から▼経済力で世界1、2位のアメリカと日本が、貧困率でも世界1、2位。OECD(経済協力開発機構)が2006年7月に発表した「対日経済審査報告書」では、所得格差の拡大が日本の経済成長に与える悪影響に懸念を示しています。その審査項目の一つに「相対的貧困率」があります。これは国民を所得順に並べて、真ん中の順位(中位数)の半分しか所得がない人(貧困層)に比率のことです。中位の年収が500万円だとしたら、250万円以下の所得層がどれだけいるかということです。日本はアメリカの13.7%に次いで13.5%と、ワースト2位にランクです。ちなみにイタリアでさえ11.5%、フランス6.0%、最も低いチェコは3.8%でした。このことについて、OECDは、「コスト削減でパートやアルバイトなど賃金の安い非正社員を増やしたことが、所得の二極分化を助長させた」と断罪しています。▼生活支援と景気対策のリョウニラミの定額給付金は、思い切って一人当たり30万円バラ撒いて欲しかった。4人世帯なら120万円ですから、これなら車や大型テレビなどの高額商品も買うでしょう。財源は十分あります。これに必要な予算は40兆円足らずですから、埋蔵金だけでも対応できますし、足りなければ政府紙幣を発行すればよいだけです。過去に繰り返された恐慌発生のメカニズムは、資本家が所得を独占して勤労者(庶民)に分配せず、設備投資に回して生産性を上げる。でもそれが供給過多を生み、商品が売れず価格が暴落してデフレになる。従業員は賃下げに遭い、あるいは雇用が失われる、というパターンです。▼国の債務残高は838兆円とされていますが、これは国債と政府借入金と政府短期証券を合計したものです。その中には、国の借金とは違う性格のものが二つ含まれています。一つは、財投債(財政投融資資金特別会計国債)ですが、財政投融資制度の廃止にともない、政府系金融機関などの財政機関は、自ら債券を発行して資金を調達することが原則になりました。ところが財政機関に信用力がないので、自ら債券を発行すると高い金利を払わなければならず、そこで、国が代わりに国債を発行して資金調達をして、その資金を財政機関に貸し付けています。もちろん、その資金は、最終的に政府に返されるのですから、国が抱える借金などではありません。そしてもう一つは、政府短期証券ですが、これは政府の短期の資金繰りに当てられるもので、言ってみれば繋ぎ資金に過ぎません。ですから、長期の財政状況を判断するためには、この二つを除いた額を「長期債務残高」とすべきなのです。この二つを除けば、実質的な長期債務はむしろ減っています。これが財政赤字のカラクリなのです。政府・財務相が力説する財政破綻説は眉唾ものです。▼真っ赤なウソです。九月十三日(日)
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