2008年11月9日日曜日
美人投票の経済
『閉塞経済』(金子勝・ちくま新書)から。▼どの経済学の教科書にもバブルは正面から取り上げていないが、ケインズだけは『一般理論』のなかで「美人投票論」を提起している。たとえば美人投票をやって、一位の人に投票した人には何か懸賞が当たるとします。すると、自分の好みの美人に投票するわけではなく、「みんなが美人だと思う人」に投票するようになる。つまり、「この人ならみんなが美人だと思うだろう」という予測のもとに、その人に投票するので、票が集中するのです。美人を株や土地に置き換えると、「みんなが土地や株の値段が上がるだろう」と思うと、そこに向かってみんながお金を投資する。すると、みんながお金を投資してそれを買おうとするから、価格がますます上がってもうかるので、ますます土地や株の需要が増える。▼バブルが繰り返される理路と、マクロ経済をよく理解させてもらえる書です。十一月九日(日)
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